研究ノート③ (Silver)

『未来世紀ブラジル』テリー・ギリアム監督

d0016644_11544100.jpg最初に感じたのが1985年公開の作品にもかかわらず2000年代を風刺しているようにしか見えないところ、時代を先見していたかのような内容に驚かされる。多分これは誰もが抱く感想であるはず。情報統制、管理社会、爆弾テロ、整形手術etc…。
情報を管理する機関(情報局?)で働く主人公サムは出世を望んではいないが、それなりの生活をしている様子。普段から空を飛ぶ戦士の夢を見ている。ある日仕事先の事後処理で訪れた先で偶然出会ったジルが夢の中に出てくる女性とそっくりであった。彼は彼女の素性を知るために一度は断ったコネを使って昇進する。何とかしてジルに接触するが彼女は情報局による誤認逮捕に対して抗議活動を行っており、ひどい扱いを受ける…。
この作品の時代はレストランで注文するのも番号を言えと強要され、出てくる料理は恐らくその料理の味がするアイスクリーム状のものである。なにをするにも書類が必要で、主人公はそんな世界にうんざりしている。母親やその友人たち、働く人々など他の登場人物はなにかがちょっとおかしい(しかし彼らは結構人生を楽しくやっているように見える)。主人公はやはり現実から逃れたくて夢を見たのか、夢に出てくる女性に似たジルを見つけると今までの彼が嘘のように生き生きとした行動を取るようになった。しかし彼の暴走は彼の身を破滅させる。終盤危機から脱し、無事ジルと結ばれたかに見えたがそれらは全てサムが見た夢であった。

前々回のゼミにて先生に言われたとおり、夢または夢オチという手法に注目してみたのですが今回薦められたこの作品はもろに夢オチでした。見ている自分も主人公が絶体絶命のピンチになった終盤、あの人(デニーロ)が助けに来てくれる!!と思っていたらその通りの展開になりこのまま終わるかと思いきや、そんな甘い作品ではありませんでした。現実はそんなにうまくいきませんというか…。
この終わり方だと映画の世界の中での話は主人公が情報局に捕まって尋問が開始された時点でもう終わっていたと考えていいのでしょうか。観客が見せられたものは主人公の頭の中の世界のハッピーエンド。これは映画作品なので現実というのもおかしいし、映画というもの自体が夢みたいなものだと思うのですが、現実は発狂?していてバッドエンド。この場合ラストはどれであると解釈してよいのでしょうか。一応主人公は幸せな夢のラストを見ることができたようですが。
パッケージだけは見たことあったのですが、まさかこんな映画だったとは…。

もうひとつの『ステイ』の方は見つからなかったのでまだ見ていませんので、誰が買ったのか分からないのになぜか家にある謎のDVD『マトリックス』について書きたかったのですが、現在は父の単身赴任先である札幌にあることが発覚(この時点ですでにこの世はマトリックスなのではないかと思えてきますね)。多分主人公を裏切る男が、見返りとしていい夢(マトリックスの世界でのいい暮らし)を望んでいたはず。『25時』にも現れる「夢」について追いかけてみようと考えています。
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by mewspap | 2008-07-11 01:26 | 2008年度ゼミ


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