Adelaideさん、楽しそうで何よりです。
余裕があるときに、息抜きを兼ねてどんどん続報を投稿してください。 いずれ私と「親子丼勝負」をしましょう。 5月7日の「文学部」を中心とする授業の出席者は、Hiroko、Eri、Asuka、Shinの4人でした。該当者で出席できない人は必ず事前に連絡するように。 Hirokoさんのテーマ報告は、映画における女性像の変遷を比較論の観点からというもの。 古典的な「金髪美人」像は今日では廃れているはずなのに、コメディという特異なメディアにおいて奇妙なリバイバルを見せている。 『ブリジット・ジョーンズの日記』1・2、『キューティ・ブロンド』1・2を中心に「美女」の定義をまずおこなう。 全員がこれを観ておくことが必要です。わたしも観なくちゃ。 Eriさんのテーマ報告は、雑誌と映画における日米の女性イメージについて。 どれほど膨大なデータを調査しなければならないか、その煩瑣で多大な「事務作業」についてまだ了解していない点が懸念されます。 ほんとうにこのまま走るならば、最短で3年計画、まあ5年はかかると見ていいでしょう。 対象やテーマを限定すべく絞っていくべきですが、何かに絞って照準して「から」データに取り組み始めるというのは、適切でありません(すでに焦点が絞られている場合は別ですが)。 逆に、徒手空拳でデータに次々とアプローチしながら、その過程で絞っていこうというのも適切ではありません(それだけの時間的余裕はみなさんにはありません)。 論文を書くというのは、実のところ矛盾するうえの両者を同時的に遂行することを意味します。 ある観点に照準しなければ、いくら膨大なデータをこなしても、何も「見えない」のです。「切り口」なしに資料を読んでも、それは単なる「情報」としか映りません。 逆に、照準すべき観点というのはデータのなかにしかありません。また、ある観点から資料にアプローチすると、その観点以外のいっさいが「見えなくなる」ものです。 この矛盾を遂行すること。これを「弁証法」と呼びます。 残念ながら、論文を著すというきわめてクリエイティヴな営為では、「観点/切り口」×「資料」=「論文」という単純素朴な計算式は成り立たないのです。 上のようなの矛盾に引き裂かれつつ統合すること、ベクトルを異にする引力の拮抗に身を置くことが、論文を書くということです。 この弁証法は、作業をする過程にだけ宿っています。 黙々と作業をする過程で初めて、この矛盾の論理が身体的に了解されるでしょう。 このような抽象論が、理屈ではなく、「キンモクセイの季節」に実感されることを祈ります。そのためには「ただ今現在」のおおよそ益なくして労多く見える「作業」が肝要です。 Asukaさんはクラシック『フランケンシュタイン』の代表作、『フランケンシュタイン』『フランケンシュタインの花嫁』『フランケンシュタインの復活』。 モンスターの悲哀、ペーソスの構造、歴史的バックグラウンドの分析が必要です。 Shinくんは原点回帰の傾向。 話の中心には「祝祭」がありましたが、ミイラも登場。みなさんよくご存じのTake-Shin Worldが展開され、まだあまり抗体のできていないHirokoさんとEriさんのきょとんとした表情、見張りに立つ警戒心旺盛なプレイリー・ドッグのようなAsukaさんの防御姿勢が印象的でした。 4人のみなさんは、それぞれに研究ノート(メモ)をここに投稿すること。 私のだべりんぐの要は一点、「具体的であること」。 みなさんのやろうとしていることの「大枠」は分かりました。 あとは具体的たること。「Aを中心にBとからめて考えたい」という筆法の報告はもう不要です。 「どのように」に向けて具体的に書いてみましょう。 研究ノートやメモはトライアル&エラー方式です。とりあえず可能性がありそうなところに触手を伸ばすように、それを「具体的に」言語化してみなさい。 もしそれが間違いだったとしても、具体的に言語化してみないと、間違いだったとさえ分かりません。 具体的な間違いをしておけば、「これではないもの」「これ以外のもの」という風に差別化して次にステップを進めることができます。 そして実のところそれはa giant stepなんですよ。
by mewspap
| 2005-05-08 08:57
| Mew's Pap
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