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レヴュー:ヴァン・ゴッホ展 (LIN)

 ゴッホは中国でもとても有名な画家なので、この前友達と一緒に大阪で行ったゴッホ展へ行った。それで、ヴァン・ゴッホについてより深く理解できた。ゴッホは1853年にオランダに生まれた。彼についても物語には、劇的な瞬間がいくつかにもある。精神的な病気との闘い、自分の耳の一部を切った事件、そして自殺など。ヴァン・ゴッホの作品は彼の人生と結びついてると言っても言い過ぎではない。今回のゴッホ展で鑑賞した様々の作品の中で、ちょっと気に入ってるいくつかの作品を紹介するつもり。
 
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まず、「開かれた聖書のある静物」。この作品はゴッホの父が亡くなった後に描かれた。作品に描かれている聖書は父親の所有物、隣りに消えた蝋燭と黄色い本。黄色い本にはEMILE ZOLA LA JOIE DE VIVRE(エミール・ゾラ 生の悦び)の文字がある。それはゴッホが愛読した文学作品の一つである。ゴッホは聖書とゾラの小説「生の悦び」を対比している。消えた蝋燭は伝統的なはかなさの象徴であり、聖書は牧師であった父の世界、ゾラの小説は新しい近代世界を示しているではないか。
 
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「灰色の調和ではなく、強烈な色彩効果」こそ、印象主義や新印象主義といった当時パリの画家たちの作品を目にしたゴッホが最大な衝撃を受けた。すでにオランダ時代にドラクロワの色彩による陰影表現に触れ、またシャルル・ブランの補色に関する著作を通して色彩理論に関する知識を得ていたゴッホであるが、理論が実践に移されたのはパリ時代だった。
 
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ヴァン・ゴッホはパリ時代に、この作品のように日本の浮世絵をもとにした油彩を制作した。太く強調された輪郭線、平坦な色面といった浮世絵に特徴的な要素を吸収しながらも、単なる習作や模写を超えて、ヴァン・ゴッホ自身の独創的な作品になっている。
 
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この作品は、ゴッホが夜の星空を描いたはじめての作品である。輝く星が建物を照らし、カフェの灯はテラスや石畳まで照らし出している。テラスに何組の客がいるが、円盤状に輝くテーブルがリズムを作っているのが目を引くだろう。不思議なのは、この作品を見るたびに、癒されているように感じる。ゴッホの作品のなかで一番の気に入り。
 
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これはゴッホ最後の作品である。夜空に輝きのない細い三日月、誇張された輝きをもる一つの星、そして、とても高く直立している黒々とした一本の糸杉。道には白い馬に引かれた黄色い馬車と、夜遅く出歩く二人の男。自然を前にした制作ではなく、糸杉をめぐる様々な想像をひとつの風景のイメージとして構成する方法を取った。それはゴーギャンが「抽象」と呼び、アルルの「黄色い家」でゴッホに伝授した方法である。ゴッホにとって、2年あまりの南フランスでの生活から得た最も重要な財産だった。この静かな夜景には、ゴーギャンと制作をともにした日々への思いが込められているようである。二人の男が寄り添うように夜道を行き、その後ろからも、やはり二人の人物を乗せた馬車がやってくる。不思議なことに、糸杉にも2本の幹がある。

 他にも、ゴッホ展で展示された作品があるだけど、下記のHPに載せている。興味があれば、見てください。
  http://spaces.msn.com/members/champs-elyseesmoi
―> フォト アルバム ―> VINCENT VAN GOGH IN CONTEXT
by mewspap | 2005-08-08 03:06 | 2005年度ゼミ


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