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シネつぶ:『リディック』――正義の味方はなぜ強いのか(Mew's Pap)

シネつぶ:『リディック』――正義の味方はなぜ強いのか(Mew\'s Pap)_d0016644_14231537.jpg『リディック』THE CHRONICLES OF RIDDICK
2004年アメリカ
監督:デヴィッド・トゥーヒー
出演:ヴィン・ディーゼル、ジュディ・デンチ、コルム・フィオール、サンディ・ニュートン、ニック・チンランド、カール・アーバン、ライナス・ローチ、キース・デビッド
Q.正義の味方はなぜ強いのか
A.正義の味方は悪だから強い

『スパイダーマン』について書いたとき触れたように(@「シネつぶ」その46)、ヒーローの強さの秘密をめぐる倒錯した論理を「まんま」踏襲している。

つる禿、もとい、スキンヘッドにグラサンをゴムバンドで外れないように装着したリディックは、銀河系最強のお尋ね者である。

でも友だち思いで「妹」思いで、小さな子や女性に弱い。
どこが悪なの?

はるか未来のお話だけれど、敵のネクロモンガー軍団は完全にローマ軍のイメージである。
これしかないのだろうか、組織化された「悪の軍団」のイメージって。何千年もたっているのに。
ローマ軍とそれを真似したナチス。「悪い帝国」の方々はつねにそれを真似た恰好をさせられる(『スター・ウォーズ』でも『ガンダム』でも『猿の惑星』でも『スター・トレック』でもそうだ)。

賞金稼ぎに捕らえられ、キリスト像のごとく十字に縛り付けられたリディックが、地獄の囚人惑星に連行されるときのインターナル・モノローグが間抜けである。

「こいつらを全員殺すべきか。いや、どうせ目的地に連れて行ってもらうんだからいいだろう。向こうに着くまでだ。」

ダーク・ヒーローに内面なんかもたせてはいけない(ましては内省的な「語り」なんかだめです)。
「何考えてんだかわかんない」というとこが不気味で恐いんだから。

前作の『ピッチ・ブラック』も借りようと思ったら、レンタル・ヴィデオ屋に置いてなかった。
あまり残念に思わないとこが、我ながら哀しい。
by mewspap | 2005-08-03 14:25 | シネマのつぶやき


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