J. D. Salingerが亡くなった。
J. D. Salingerは私にとって私的神話なのだが、神話が終わるときが来るのだと言うしかないのだね。
高校生のときにJ. D. Salingerを読まなければ、大学になぞ行かなかったであろう。大学に行かなけば、みなさんの前でこうして私はゼミ長などして口に糊していなかったことはまちがいない。たぶん、専門的な職人となってもっと幸せな人生を送っていたであろう。
Akamatsuくん、S.T.くん、J. D. Salingerが亡くなったということだ。
おや、そういえば卒論を書くまでに至ったのはわずか二人か。
実は私はJ. D. Salingerについて、あまり語らずにきたのだと今にして分かった。
私的神話についてはあまり多くを語らない方がいいと、知らず知らずのうちに思いなしてしまっていたのだろう。
それでよかったのかどうかは分からないが、いずれにせよ終わりは来ると今さらながらに思うのだ。
なんと言ってもどこかは知らねども不死身の隠遁生活を送っているJ. D. Salingerでさえ、そのどこかは知らぬがこの地球上での隠遁の地で最後の吐息を漏らして去るのだから、終わりというのがあるのだなと思う。
さよならですね。
私的神話ももう残り少ない。