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シネマのつぶやき:『西の魔女が死んだ』――死んだ魔女から贈り物二つ

d0016644_1039326.jpg『西の魔女が死んだ』
2008年日本
監督:長崎俊一
原作:梨木香歩
出演:サチ・パーカー、高橋真悠、りょう、大森南朋、木村祐一、高橋克実
田舎に暮らすおばあちゃんと、都会からやってきた孫娘の物語である。

そのまんまじゃんと思うかもしれないが、要するにこの物語は「老人と子ども」説話だということである。「桃太郎」とか「かぐや姫」とか『アルプスの少女ハイジ』とかと同じ「物語の基本形」のひとつである。

久しぶりに主人公の少女まい(高橋真悠)に会いに来た父親(大森南朋)が「健康そうになった。まるでハイジみたいだ」と驚く場面があるが、この台詞も「老人と子ども」という説話原型に自己言及しているのである(たぶんしてるんだと思う)。

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by mewspap | 2008-09-07 11:10 | シネマのつぶやき

シネマのつぶやき:『西の魔女が死んだ』――「煙草」と「いじめ」についての付記二題

付記1:喫煙シーンについて
原作ではまいのおばあちゃんが煙草を吸う場面がいくつか見られる。
ゆったりと「魔女らしく」落ち着いて、まいの質問に応じる場面である。煙草をくゆらせながら孫娘に話しかける風情には、いかなることにも「決して動揺しない」魔女の懐の深さが表れている。

加えて、ハーブティーや自家製果実酒とともに、煙草はひとり暮らしの日常における思索的な時間を暗示し、日々の生活に奥行きを与え、彼女の人となりに幅を与える。

私はそういうものとして読んだ。

煙草がなければそういったことは表現できないなどとはもちろん言わない。そういう意味ではハーブティーだってなくてもよい。
解釈というのはいわば「結果論」であり、そこに描かれているものを前提に考えることである。

ところがこれらの喫煙シーンが映画では省略されている。
別に必要なしと判断したのだろう。

逆に原作にはない喫煙シーンが一箇所だけある。

おばあちゃんはゲンジを呪詛するまいに動揺し、思わず平手で叩く。
夜遅く、泣き寝入りしていたまいを起こし、階下で遅い夕食を食べさせる。立ち去り際にまいは、「でも、おばあちゃんだって私の言葉に動揺して反応したよね」と言い捨てる。
ひとり薄暗い部屋にたたずみ、おばあちゃんは煙草をくゆらせる。

というシーンである。

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by mewspap | 2008-09-07 11:04 | シネマのつぶやき

シネマのつぶやき(予告編):『西の魔女が死んだ』――死んだ魔女から贈り物二つ、及び付記二題

近々、投稿します。

この映画については実に「書きにくい」ことを知りました。
たいていは思いつきで記述し、あまり納得がいかなくとも「ま、いいか」とアップしてしまうのが「シネつぶの趣意」とするところなのだけれど(60点いけばオッケー)、意外なことに今回は七転八倒しました(ぜんぜん「可」の点までいかない)。

いつまでたっても文章が成り立たなければ「やんぴ」と投げ捨てて忘れてしまうというのも、もうひとつ「趣意」とするところだけど、今回はどうしてこの映画はこんなにも「書きにくい」のかということを考え始めてドツボにはまった。

ずいぶん前に読んだ原作を西の書棚から引っ張り出して再読し、文庫版では多々改稿があり続編も併録されていると聞けば東の書店に求め、「あ、誤植めっけ」とにやりとし、「こんなこと」している余裕はないのだがと愚痴り(別に誰に頼まれてやっているわけでもないが)、それでも書いては書き直し破り捨てているうちに夏期休暇メーターの残量はエンプティ目指してまっしぐら。

卒論書いているのと同じである。しくしく。
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by mewspap | 2008-09-05 09:40 | Mew's Pap