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シネマのつぶやき:『百万円と苦虫女』――平成版女旅がらすと「弟の力」

d0016644_15345929.jpg『百万円と苦虫女』
2008年日本
監督:タナダユキ
脚本:タナダユキ
出演:蒼井優、森山未來、ピエール瀧、竹財輝之助、齋藤隆成、笹野高史、石田太郎
平成版「旅がらす」は、渡世の仁義に命を賭す任侠(『昭和残侠伝』とか『網走番外地』の高倉健ですね)でも、テキ屋稼業で旅から旅へのフーテン(寅さん)でもなく、うら若き「めんこい桃娘」である。

主人公の鈴子(蒼井優)が「ムショ帰り」という設定は、ほとんど任侠映画の本歌取りであろう。
寅さんのように革製のトランクではないが、重そうなキャリーバッグひとつで、鈴子は旅から旅へと渡り歩く。

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by mewspap | 2008-08-26 15:40 | シネマのつぶやき

シネマのつぶやき:『紙屋悦子の青春』――物と人の慎ましく豊穣な関係

d0016644_18172659.jpg『紙屋悦子の青春』
2006年日本
監督:黒木和雄
原作:松田正隆
出演:原田知世、永瀬正敏、松岡俊介、本上まなみ、小林薫
『父と暮らせば』(@シネつぶアーカイヴ)の黒木和雄監督の遺作。

敗戦も近い昭和20年春、海軍航空基地のある鹿児島の田舎町を舞台に、特攻に志願し死地に赴く若者と、その若者に密かな思いを寄せる純朴な娘という、物語話型としては馴染みの深いものである。

原型として思い浮かぶのは、向田邦子のエッセイを翻案した久世光彦のさまざまなドラマ(『いつか見た青い空』とか『蛍の宿』とか『あさき夢みし』とか)。そういえば、この映画で主人公の兄役の小林薫は、向田/久世ドラマの常連だった。
それから、せんぼんよしこ監督の『赤い鯨と白い蛇』(@シネつぶ)や降旗康男監督の『ホタル』も、切り取り方は違うが同型の物語である。

紙屋悦子(原田知世)は父母を東京大空襲で亡くし、兄の安忠(小林薫)夫婦と暮らしている。兄嫁のふさ(本上まなみ)は悦子の子どものころからの親友で、物資の乏しい戦時下とはいえ3人家族のつましく静かな生活がある。

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by mewspap | 2008-08-23 18:32 | シネマのつぶやき

シネマのつぶやき:『スカイ・クロラ』――妙に自然な・・・、しかし戦争と平和ではなく

d0016644_22122231.jpg『スカイ・クロラ』The Sky Crawlers
2008年日本
監督:押井守
原作:森博嗣
脚本:伊藤ちひろ
音楽:川井憲次
キャスト(声):加瀬亮、菊地凛子、谷原章介、栗山千明他
完全な平和が実現した近未来で、平和の意味を実感するために、「戦争請負会社」による見せ物としての戦争がおこなわれている。地上には約束された平和があり、遙か上空ではショーとしての終わりのない戦闘が繰り広げられる。

戦争の担い手は「キルドレ」("Killing Children"でしょうか)と呼ばれる戦闘機パイロットたちで、「大人にならない」と思い決めて永遠の思春期に留まる。しかし、彼らはいずれも基地に配属される以前の記憶が曖昧であり、主人公のカンナミ・ユーイチが言うように「大人になれないのではなく、大人にならない」ことをみずから選んだのかは疑わしい。そして戦闘で殺害されないかぎり、永遠に子どものまま生き続ける宿命を負う。

したがってキルドレは、自分がどこからやって来たかを知らず、どこに向かうとも知らない。

森博嗣の原作の構想をそのまま引き継いでいるのだろうけれど、やはり押井監督の手練手管にあっさりはまってしまう。
「自分がどこからやって来たかを知らず、どこに向かうとも知らない」という構想はよいですね。「思春期の子ども」の定義そのものではないか。もっと敷衍して、人間一般の定義と言ってもいい。

というわけで、不分明な思弁に基づく思わせぶりな鍵語の散りばめられた押井ワールドの罠に、喜んではまってしまいましょう。

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by mewspap | 2008-08-21 18:19 | シネマのつぶやき

夏バテ、夏枯れ(Mew's Pap)

Mew's Pap Roomは私の部屋なんだけど、ぜんぜん部屋に帰る余裕もなく夏バテにいたり、久しぶりに「ただいま」と戻ったら、あれれ夏枯れですね。

まあ、例年この時期そうなんだけど。
一ヶ月もあっちさんに「トップ晒し」にしてしまって気の毒だし、そろそろ私も動かなくてはならない。

本日の昼ご飯はピザとパスタ。
夏休みの子どはおうちにいるので、「ひるめし」の問題が起こる。そうめんばっかだとクーデターが起こるので、いろいろバリエーションを考えなければならない。これがけっこう大変なんだよね。
何をするってわけではないのだが、夏は特にメインの仕事時間を早朝からの午前に設定しているので、普段なら自分だけなので「あ、もうこんな時間か」と昼過ぎにジャンクな食事で済ませるのだけれど(どん兵衛てんぷらそばにネギを刻んで投入しておしまいとか)、その午前中の仕事時間に「ひるめしどうしようか」という意識がずっとつきまとう。
『朝日新聞』の四コママンガ「ののちゃん」のおかあちゃんの気持ちがよくわかる。

本日は冷蔵庫にピザがあったが、それじゃ二人分にはちょい足りない。
そんでペペロンチーノ一人前のちょい多めにキャベツも投入して作成し、「半チャン・ラーメン」的に「半ピザ・パスタ」(そのまんま)とする。

今日の昼ご飯なーにと訊いてきた子どもにメニューを言うと、「めっちゃイタリアンやな」とちょっと非難のトーンを込めて言う(幼児期から手抜き食事でパスタを食わせすぎたのでイタリアンがあんまし好きではない)。

ラーメンにチャーハン半人前の「半チャン・ラーメン」というのは黄金のコンビであるが、考えてみるとこれって「うどん定食」に似ている。

関西以外の日本では想像に絶する「焼きそば定食」とか「お好み焼きとご飯」とか、あろうことか「たこ焼きをおかずにメシを食う」とかいった、「炭水化物をおかずにして炭水化物を食する」ひるめしの習慣が大阪を中心にした近畿圏にはある。

関西にやって来た当初、私も度肝を抜かれたものである。

その筆頭が「うどん定食」であろう。
「パスタとピザ」なんて、こりゃほとんど「イタリアンなうどん定食」である。

晩ご飯は「サンマに大根おろしにすだち」の和食をメインにしようと思い決め(昨日はハンバーグを作成して400gで¥780の合い挽きに散財したので本日は質素倹約)、買い物に行くとサンマは「新物入荷!」で一匹¥380もする。ざけんなよな。私の経済感覚では、サンマは「¥100以上なら高い」のである。

どーしよーかなーと考えあぐねて、豚肉が安かったので酢豚にする。
ピーマンとタマネギは、義母が畑で作ったのを(大量に)もらっているし。
それと白菜と薄揚げの(大阪風)「煮いたん」。
しかしここでも夏枯れ。白菜は葉先が枯れて変色し、しなびている。ごま油で炒めてから煮いても、なんか固くて苦くて失敗でした。

あーあ。

忙中閑ありで、この間『スカイ・クロラ』と『西の魔女が死んだ』と『百万円と苦虫女』と『崖の上のポニョ』を観てきたので、今週は夏枯れ部屋にささやかな水やりでそのどれかを取り上げて久しぶりに映画について書くとしましょう。
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by mewspap | 2008-08-17 20:22 | Mew's Pap