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研究ノート5(YOKO)

今週は、50年代の流行について書かれている本を読みました。

<パリ・モード志向期 1950~1957>
1947年から57年までの11年間は、パリのオートクチュールのハイファッションの歴史では、50年代ルックの時代とされている。またライン時代とも呼ばれており、毎シーズンのファッション・ポイントが、もっぱらシルエットラインの新しさにおかれた時代であった。そしてこの11年間はパリのオートクチュールがパリ・モードと呼ばれて、世界のファッションリーダーとして全盛を誇った時代でもあった。
このオートクチュールにおいて、もっともはなばなしく活躍したのがクリスチャン・ディオールであった。ディオールは11年間の22回のコレクションのほとんどすべてに「○○ライン」というネーミングをとっている。それらは、チューリップ・ラインや、H、A、Yなどのアルファベット・ラインのなどといったように、誰にでも分かりやすいポピュラーなテーマであった。
ディオールはいつもファッションニュースのトップを飾った。彼は世界のファッションの帝王とみなされ、彼こそがファッションのトレンド・セッターであり、彼が新しいラインを発表すると、そのあとに従って世界のすべてのデザイナーが追随していった。50年代はディオール時代であったといえる。
服装造形の基本は、体型にフィットさせた裁縫型であった。体型から出発し、体型やその動きを意識し、体型になぞらって、布地を裁断し縫製している。女性の体型はバスト、ウエスト、ヒップのサイズに見る限り、ウエストのくびれた、バストとヒップにボリュームのある体型が望ましく美しいとされている。バストとヒップは女らしさの象徴とされているので強調し、相対的にウエストが細められた。
このようにウエストを細めた体型志向のシルエットはX型と呼ばれており、12世紀半ばあたりから美学とされてきた。16世紀以降に登場するコルセットもこの美学に基づいたものである。そして、ディオールも8ラインやカローララインと呼ばれたもので、このような体型志向のシルエットを提供している。
by mewspap | 2006-08-19 13:15 | 2006年度ゼミ


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