教育実習生の受け入れ校を訪問するため、ryokoさんが実習している「大阪のディープ・サウス」河内松原へ、蒸し暑いなかスーツにネクタイで出向く。
スーツだぜネクタイだぜ(ふだんオンボロな格好をしている私でもやるときゃやるぜ)。 スーツと言えばネクタイ、ネクタイと言えばスーツ。あぢあぢ。 河内だぜ河内。 河内と言えば大阪、大阪と言えば河内。 河内音頭の発祥地、河内のおっさんの発生地。 駅からてくてく歩いて、庶民的な住宅街の細い抜け道を通って通用門へ向かう。 この抜け道は人が二人行き交うことができるか否かというほとんど「路地裏」である。 「路地裏から成り上がった」私としてはとても懐かしく居心地のよい空間である。 道ばたにジベタリアンして冷たいビールをきゅっとご近所さんで小宴会でももうけたい気分であるが、仕事なのでそうゆうわけにもゆかない。 あぢあぢとつぶやきながら歩いてゆくと、道沿いの門前のコーナーに「ここはゴミ捨て場ではない。ゴミを捨てたら不法投棄として告発する」という恐い脅し文句が書かれていたりする。 そう書かれるとここはゴミ捨て場として利用してもいいんだと思ってしまう天の邪鬼心がいかんともしがたい。 さらに行くと、閉店した(?)お店のシャッターに「キケン!頭上注意」と大書した張り紙がある。 なんのことか委細不明。 そう書かれるとその下に立ってみたくなるのが人情というものである。 立ってみても別に何も落下してくる気配はない。変なの。 さらに進むと小型の箱が置いてあって、そこには「ここに犬猫のエサを置くな。置くなら自分の家の庭に置くように」とかいう不思議なご案内がある。 なんなんだろう。その箱はエサ箱なの? そう書かれると天の邪鬼の私としては・・・。 といつまでたっても目的地に到着しないではないか。 まことにディープである。 途中の路地に散見されるさまざまな誘惑に抗してようやく目的地の高校に到着。 まずは教頭先生とちょっとだけお話。現在、20名ほどの実習生が来ているそうである。 本学からゼミのryokoさん、経済学部のT田さん、工学部のK元くん。 「英語力に不安がある」と胸を張って豪語するryokoさんは2年次生のリーダーを担当しているそうだが、授業で教える箇所の内容をまず「指導教員の先生の個人授業を受けて」学び、引き続き当該箇所の教え方を「指導教員の先生の個人授業を受けて」了解するとのこと。 うーむ。それってちょっと・・・。 地理担当のT田さんははきはきと元気よく、もうすでにこの道のベテランのごとく落ち着いている(すでに就職内定ももらっていて教師になるつもりはないらしいが)。 K元くんは化学担当。先日個研に来たとき「ぜひ授業参観して下さい」と言っていたので、T田さんに案内してもらって教室を探し回る。 渡り廊下でつながっている南北の二棟を一階から四階までのすべての教室をぐるぐる見て回るがいない。 もしかしてK元くんは今日来てないんじゃないか、いやそもそもK元くんというのは「共同幻想」にすぎず、実はわれわれの頭のなかにしか存在していないんではないか!?という私の怜悧なる洞察に、実習生のみなさんは口をそろえて「いや、午前中に見ました」と言う。 結局、化学大好き人間のK元くんが実習室のビーカーのなかに隠れているのを発見し、「出といでよー」とみんなで呼びかけるとようやく登場。 なんとK元くんは大学でウェイト・リフティングをやっているそうである。 ウェイト・リフティングというのは、どのようなカテゴリーに属するスポーツなのであろうか、と一瞬頭が空白になる。 実習生たちも「陸上部?」「体操部?」とか言っている。 ウェイト・リフティングはウェイト・リフティングとして独立した競技なのだそうである。 そんで本学にもウェイト・リフティング部というものがあり、そこに所属しているとのこと。 あ、そう言えば、法文学舎の裏のかつて馬術部があったあたりに、リフティングの器具があるのが、大教室のある第二学舎の窓から見えた。 年来、あれはいったい何なんだろうと思っていたが、ウェイト・リフティング部というのがあったのか。 K元くん、すまない。 しかし、20年来の謎が解けた。 人間を長くやっていると、日々これいろんなことを学ぶものである。 二つ持っていた腕時計がこの半月のあいだに次々と壊れ、やっぱり時計がないと授業に支障をきたす。 早く買わなきゃなと気になっていたので、帰りに「そうだ腕時計を買って帰ろう」と思い立つ。 駅前に「ゆめニティ」というショッピング・モールがあるので立ち寄る(「夢見るコミュニティ」のことでしょうか。うふ。ロマンチック)。 時計屋さんで18,000の腕時計を半額で叩き売りしていたので、3分弱で即決して購入して帰る。 ふう。あぢあぢ。 教育実習の時期である。 本学の学生さんであろうとなかろうと、みなさんがんばってね。 ちなみに私は教育実習というのにいった経験がない。 教師稼業のなかで唯一、大学の教員は教育実習というのがなくって教員免許というものを持たずとも教壇に立てるのである。 私は「無免許運転」をしているわけね。 幸い、今のところそれほど大きな事故を起こすことなく十数年にわたって「安全運転」にこれつとめてこれた。 これもみな「よい子の学生さんたち」のおかげであると感謝している。 ども、です。
by mewspap
| 2006-05-22 22:01
| Mew's Pap
|
検索
カテゴリ
全体 - - - - - - - - - 2014年度ゼミ Mew's Pap シネマのつぶやき シネつぶアーカイヴ つれづれレヴュー 主宰王様編集長横顔 - - - - - - - - - 投稿要領・投稿規定 Aphorisms(ゼミ標語) - - - - - - - - - 卒論アーカイヴ 2013年度ゼミ 2012年度ゼミ 2011年度ゼミ 2011年度卒論 2010年度ゼミ 2010年度卒論 2009年度ゼミ 2009年度卒論 2008年度ゼミ 2008年度卒論 2007年度ゼミ 2007年度卒論 2006年度ゼミ 2006年度卒論 2005年度卒論 2005年度ゼミ Alumni - - - - - - - - - 文献検索 映画文献&サイト その他の文献 論文執筆法の文献 合研DVDコレクション 個研DVDコレクション 以前の記事
2022年 04月 2015年 03月 2014年 03月 2013年 09月 2013年 04月 2013年 03月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 03月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 03月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 02月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 その他のジャンル
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||