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研究ノート8(LIN)

  コミックの原作を手に入れるために、色々調べた。だが、関係品はかなり多いが、原作の第1部はなかなか見つからない。特に、スパイダーマンの原作は売り切れ状態になっていて、予約しなければいけなかった。スーパーマンの作品も多くなく、映画化したものだけ手に入れた。ほかの作品に関する資料もアメリカからの発送なので、今はまだ届いてない。これら資料のまとめは、次回の研究ノートにする。これからは、前回言った「アメリカン・コミックス・スーパーヒーロー・クロニクル」について、まとめたいと思っている。
  まず、スーパーヒーローの起源はアメリカン・コミックスである。1930年代後半の登場以来、派手な雑誌はヒーローたちに冒険の舞台を与えていた。アメコミにより、人々が世界における個人の力を再認識したと考えられる。近代都市には、どこか収容所の雰囲気がある。大都会を自然環境に例えるなら、いろんな深さのある谷になる。底辺では閉ざされた雰囲気だが、上に飛べば空間が広がる。スーパーヒーローは街から広い空に飛ぶというわけだ。アメリカのビッグ・シティは人類の功績の象徴であり、人々の想像力を膨らませる。そんな背景ではあらゆる事が起こる。スーパーヒーローにとって最も活躍しやすい場所である。
  「スーパーマン」と「バットマン」も大都会を背景にしたものである。実際に存在したものではなくても。この二作は精神の正反対の面を象徴する存在と言われている。スーパーマンの明るいに反して、バットマンは暗い。バットマンは復讐心を抱き、両親の無念を晴らしたがっている。一方、スーパーマンはモーセ(キリスト教上の人物)的で、より良き未来を築くために現れた。
  1950年代、コミックスが非難を受けた。コミックスの暴力性と若者に対する悪影響を心理学的に分析した心理学者もいた。様々な自説でコミックは有害がと決め付けた。それで、出版社が団結して、自主規制コードを作った。コミックスを販売するには、コミックス・コード局の承認印が必要になった。それで、アメリカン・コミックはどんどん廃れていった。
  その後、フラッシュとグリーンランタンが出て、スーパーヒーローが復活した。だが、本当に業界を変えたのは「Fantastic Four」の登場だった。「Fantastic Four」は、ジャック・カービーの画とスタン・リーの脚本で、1961年に世に出された。これは全く新しいコンセプトだったし、新しいファンもできた。それで、社名を”タイムリーコミックス”から”マーヴるコミックス”に変えた。「スーパーマン」や「バットマン」で有名なDC社のキャラクターは輝けるアメリカン・ヒーローで、みんなカッコよくて、いい事ばかりする。マーヴル社のキャラクターは、元マンスターで斬新なヒーローになる。当時は核実験や核の事故があり、人々はそのニュースに衝撃を受けていた。「Fantastic Four」は宇宙に行き、宇宙線を浴びて、一人は怪物になり、一人は火焔人間になり、一人は“力場”を創って透明になれる美女、もう一人は伸縮できるゴム人間になった。マーヴル社が創った彼らはモンスターであり、ヒーローである。
  マーヴル社のキャラクターとそれ以前のキャラクターが異なる主な点は、内面の描き方である。以前の作品では、ヒーローの特殊能力と悪役との戦いだけが書かれていた。スタン・リーはヒーローたちの人生をその冒険と同様に興味深くするように創った。彼はスーパーヒーローの人間的要素をも盛り込んだ。「Fantastic Four」の4人は、個性的でよく喧嘩するし、ロマンスもある。スパイダーマンは一番現実的なキャラクターである。10代のヒーローは初めてだった。スタン・リーは彼に10代らしい悩みを持たせようとした。彼は生活費や家族のことで悩み、恋にも悩む。他のヒーローたちは超人的過ぎて、人間的な感情移入が難しい。だが、スタンが創ったキャラクターは、超人的であっても、人間と同じように弱点を持っている。X-MENの場合は、ミュータントのキャラクターたちは偏見で誤解されている。世間は彼らを恐れ、嫌がっている。彼らの能力は思春期のころに明らかになるけど、思春期は普通の子供でも変化に戸惑い、ミュータントも同じで、突然の変化が理解できない。
  さらに、マーヴルコミックスは革新的で、悪役に特別なパワーを与えた。それまでの悪役は正気を失った科学者やギャングや宇宙からの怪物だった。マーヴルの悪役たちは邪悪なスーパーヒーローだった。善の反対をなす者を悪として認められた。超人的な悪役は多くの点でスーパーヒーローに似ている。ヒーローに近づけるほど、効果的な悪役ができると言われている。Dr.ドゥーム(「Fantastic Four」)は科学者で、爆発で顔がつぶれて鉄仮面をつける。彼の格好は「スター・ウォーズ」のダース・ベイダーに引き継がれている。
  映画監督たちはコミックを映画化するときに、本質を損わず、一般の映画でも、コマ割の構成とか想像力などコミックの手法を取り入れている。Tim Burton監督はキャラクターの両面性に力を入れた。バットマンと悪役たちは、最も心理的に掘り下げられて、コミックの頂点を極めている。
  アメリカン・コミックス・スーパーヒーローはアメリカと共に歩き、アメリカの人々を感動させた。彼らはアメリカを面白くするのに一役買い、同時に商業的価値も非常に高い。コミックは楽しいものだった。なのに、今のコミックはユーモアが欠け、深刻になりすぎて魅力の一部を失ってると言われている。
by mewspap | 2005-10-10 01:34 | 2005年度ゼミ


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