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研究ノート9・chiaki

『Road to Pardition』 演 トム・ハンクス、ポール・ニューマン

マイケル・サリヴァン 映画の語り手。彼の視線から見た父親の姿が描かれる。
マイク・サリヴァン マイケルの父。父親同然のジョン・ルーニーの下で殺し屋として働く。
ジョン・ルーニー 田舎町を仕切るマフィアのボス。マイク一家を助け、家族同然に接する。
コナー・ルーニー ジョンの息子。何かと父にかわいがられるマイクに嫉妬し、サリヴァン家の妻            アーニーと、マイケルの弟ピーターを殺害する。

 この映画には三つの『父親と息子』の姿が描かれている。

マイクとマイケル・血はつながっているが、マイケルは父に弟のように愛されていないと感じている。復讐のための旅をつうじて、父との絆が強まり、「俺に似ているからうまく接することができない」という父の本音を知ることになる。

ジョンとルーニー・血はつながっているが、ルーニーは父に認められていないと感じている。父ジョンは何かとマイクを取り立て、簡単な仕事にもマイクを連れていくように命ずる。また、マフィアの仲間の前で大声で父に怒鳴られ、プライドを傷つけられた。その腹いせに、マイケルとマイケルの家族迫害を計るが、失敗する。父親に、幼い子供のように「お父さんごめんなさい」と泣いて謝る。父は杖でめったうちにしようとするが、最後は実の息子を抱きしめる。ジョンは復讐を誓うマイクから必死にルーニーをかくまう。

ジョンとマイク・血はつながってないが、ジョンのマイクに対する信頼とマイクのジョンに対する厚い忠誠心が二人の関係をゆるぎないものにしている。妻と子供を殺害されたマイクは、怒りに燃えながらも、ジョンの元を訪れて話をしに行くし、ジョンもまた、マイク殺害については深く悩む。二人はお互いに殺さなければならないと知りながらも、自分の中の絆と葛藤する。血のつながりのないマイクに対して、ジョンは「息子の部屋をお前に渡すことはできない!」と実の血のつながりの重要性を訴える。しかし、ジョンはマイクに殺されるが、その際、「お前でよかったよ」と最後の言葉を残す。マイクは泣いている。二人が冒頭の葬式パーティーの席で、言葉すくなにピアノを連弾する姿を、実の息子ルーニーが遠目からながめているシーンが印象的。
by mewspap | 2005-09-24 22:02 | 2005年度ゼミ


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