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研究ノート7・chiaki

『About Szhmidt (アバウトシュミット)』 演 ジャック・ニコルソン

ウォーレン(ジャック・ニコルソン) 定年退職した元保険会社部長。
ヘレン ウォーレンの妻。ウォーレンの定年退職直後に死亡。
ジーニー ウォーレンの娘で、遠く離れて暮らしている。結婚を控えている。
ランドール ジーニーの婚約者。
ンドゥグ アフリカの孤児。ウォーレンがチャイルドリーチを通じて養父になった。

 仕事人間だった男が、定年退職をむかえた後、妻に先だたれ、残された時間をどのように使えばいいのか模索する話。
 ウォーレンは定年退職するも、仕事のない時間をどのようにすごせばいいのかわからずもてあましている。それとは対照的に、妻へレンは大きなキャンピングカーを買い、それに乗って旅をする新しい人生に期待を抱いていたが、彼女は突然死んでしまう。結婚を控えた娘は父を置いて帰ってしまい、ウォーレンは一人ぼっちになる。この映画はアフリカ孤児基金を通じて、養子となった会ったこともないンドゥグに、ウォーレンが日々のことを手紙に書き、それが読まれる形で話がすすめられていく。ウォーレンはあったことのないンドゥグの手紙には、自分の気持ち、怒りを赤裸々に綴り、また都合の悪いことはいいようにねじまげて書く。ウォーレンにとって、ンドゥグへの手紙は愚痴の掃き溜めなのだ。しかし、最後にンドゥグからの絵を見たウォーレンは、形ないものだった養子がリアルに思えて、人間と人間が手をつないだその絵に涙する。
 娘は定年退職した父のことをうっとぉしく思っていて、ケチでへんくつな父親の面倒を見たがらない。
 ウォーレンはヘレンとの引退後の新しい人生の象徴だったキャンピングカーで、自分の生まれた生家から大学までの人生をたどりなおす。それで、ウォーレンが目が覚めたり人間的に生まれ変わったりはせず、ただ、妻ヘレンへの思慕をはっきりとあらわすようになる。
 
定年退職して、自分の人生の意義が見出せない不安と寂しさに、心打たれた。超高齢化社会をむかえている日本、だんかいの世代が一気に退職する近々、ウォーレンのような不安を抱く日本人のお父さんはたくさんいると思う。
by mewspap | 2005-09-07 00:44 | 2005年度ゼミ


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